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 「ムッシュウ河原の


     ワインにまつわるお話」

 
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第1回 は じめに 2010年 9月28日
第2回 ワインとは 2010年10月 5日
第3回 ワインの歴史 2010年10月21日
第4 回 なぜフランスワインなのか 2010年10月30日
第5回 ワインの選び方:ワインの格付け、ラベルの見方 2010年11月 3日
第6回 閑話・休題 2010 年11月15日
号外 ボジョレヌーボー 2010 年11月18日
第7回 ワインで晩酌のススメ 2010年12月25日





ワイ ンにまつわる話(7) ワインで晩酌のススメ  (2010 年12月25日)

 み なさんそれぞれ晩酌をおやりになっていらっしゃると思います。ビール、日本酒、焼酎を奥様の手料理でちょっと一杯という夕食の風景でしょうか。そのレパー トリーにワインを加えてみては如何でしょうか。「ワインは1本の値段も結構するし、栓を抜いてしまったら1本全部1度に飲めないし、残すと味が落ちるし保 存が難しい」というのが晩酌からワインが外されている理由ではないでしょうか。
そこで今日はこの問題解決の方法をご披露いたしますのでお家の晩酌で料理とワインの組み合わせを気軽にご自身で楽しんでみてください。

 ワインは1本1000円〜2,000円位のワインで先ず色々トライして下さい。梅田の阪神百貨店B1か成城石井あたりでこの価格帯のフランスワイン AOCカテゴリーの中から白、赤、ロゼいずれかで選んで夕食時に開栓します。開けたからといって一度に1本飲む必要はありません。晩酌で飲む自分の適量を 決めてください。1本は750ml約4合強です。アルコール度数11〜13度。私の場合は夕食時の適量は1/3ボトル、250mlです。通常家の料理は魚 を主体としたお惣菜なので白かロゼを飲んでおりますが時々は料理によっては赤も飲みます。

 1本のボトルを開栓すると手持ちの250mlのキャップ式の空ボトル2本にジョウゴで満タンに移します。赤はスーパーで売っているイタリアワインの 250mlボトル、白ワインはトニックオウーターSchweppesの空ボトルを使っています。満タンにした白ワイン2本は冷蔵庫へ、赤の2本は今時は暖 房のない場所(夏は同じく冷蔵庫)に保存します。開けたフルボトルに残った分量(1/3)がその日の夕食の適量というわけ。
人によっては1/4 または1/2が一度の適量という人もいるでしょう。1/2を毎日飲む人はハーフボトルを1本、1/4が適量の人は1/4ボトル175ml(飛行機の機内 サービス用ボトルでスーパーで売ってます)のボトルを3本持っていれば良いのです。満タンにすれば空気がほとんどないので酸化が防げるのでワインは長持ち します。保存したボトルのワインは好きな時に飲んで下さい。毎日でも2〜3日後にお飲みになっても結構です。この状態で保存すればワインの味はほとんど変 わりません。

 白にするか赤にするかまたはロゼにするかは料理で選ぶか自分の好み次第。今日の料理にはどのワインが合うかななどと推理して試してみてください。もしご 自身で料理されるなら今日のワインに合うような料理をご自分で作ってみるのも楽しいでしょう。ワインと料理の相性(マリアージュ)を探求するのは楽しいも のです。ワインが夫婦の対話の仲立ちになるかも知れません。先ずは色々飲んでみることです。ワインの味の多様性と料理との組み合わせで双方が美味しく相乗 効果を発揮するのが実感されるでしょう。


号外 ボジョレヌーボー  (2010年11月18日)

 ボ ジョレ・ヌーボーの解禁日、11月の第3木曜日になりましたのでボジョレ・ヌーボー(Beaujolais Nouveau) について書いてみました。
 ボジョレ・ヌーボーはフランスのブルゴ−ニュワイン産地の南に位置するボジョレ地区のワインでヌーボーは英語のNew つまりボジョレワインの新酒という意味です。
 新酒は通常収穫された葡萄を使って翌年の春から夏にかけて順次市場に出てくるワインですがボジョレ地区の一部では2カ月位で葡萄からワインにするところ もあります。勿論来年春新酒で出てくるボジョレのいくつかの地区のワインもあります。
 何故ボジョレ・ヌーボーが短期間で新酒として11月に姿を現し、また日本で宣伝され騒がれて飲まれるのでしょうか?
理由1: ボジョレ地方ではガメイ種という葡萄を使った昔からのワイン醸造法、マセラシオン・カルボニックという醸造方法があり、それによってガメイ種葡 萄は2ヶ月くらいでワインに仕上がります。一言でいうと破砕しない葡萄のもろみを炭酸ガスの作用で急速に熟成させたものなのです。(ブルゴーニュ地方の赤 はピノ・ノワール種という葡萄です)。
理由2: 11月の第3木曜日はボジョレ・ヌーボーの解禁日でフランス各地で今年最初のワインとして安価で店頭に出回ります。売値は1本3ユーロ位せいぜ い500円どまりのものです。ご承知のようにフランスと日本の間には8時間の時差があります。つまり「フランスよりも8時間早くボジョレ・ヌーボーが楽し めますよ」という謳い文句で日本市場に売り込んだ商売上手の御仁がいてそれに初ものが好きな日本人が乗った、乗せられたということです。

 蔵元出荷解禁が11月1日に決められていて、日本の店頭に11月第3木曜日に現れるために国内輸送、航空貨物としての通関、輸入から小売店までのコス ト、高い航空運賃(船賃の約3倍位?)もかかっているのです。さて今年のボジョレ・ヌーボーは如何? 
 みなさんご自身で味わってください。ボルドー、ブルゴーニュのように樽で半年〜1年発酵・熟成させビン詰めして更に何年か寝かせて飲む赤ワインのコクや 深味、太陽の恵み豊かなローヌ地方、地中海地方のワインの通常の新酒(2009年もの)の豊潤でふくよかな味と比較するようなことはなさらないで下さい。 わずか2ヶ月でワインになってしまったのですから。
 ルビー色で爽やかな花のような香り、十代の乙女のような若々しいイメージが感じられればそれで十分。遠路はるばる駆けつけたボジョレ・ヌーボーにいとお しさが湧いてくるでしょう 日本航空の救済にも貢献していると思ってA votre sante !  ボジョレ・ヌーボーで乾杯! 花のいのちは短くて…  早めにお召し上がり下さい  (2010/11/18)



ワインにまつわる話(6) 「閑話・休題」 (2010年11月15日)

 「私はワイ ンはよく解らない」、「どれが良いワインですか?」

ワインミュージアムの館長をしていた時よく聞かれた言葉の双璧です。

「私はワインはよく解らない」
 先ず日本語として2つの意味が考えられますね。「私はワインのことを良く知らない、知識を十分に持っていない」のか「私はワインの味がよく解らない」な のか。
 ワインの知識を積めばワインの楽しみは広がります。私がワインにまつわる話を書きはじめたのもみなさんにワインの楽しみを広げて欲しいからです。自分で 飲んでみておいしいと思えばおいしい、まずければまずい、それだけのことです。料理を食べておいしいかおいしくないか、味覚障害でない限り料理の味がよく 解らないとは言いませんよね。ワインもそれと同じ。口の中で甘い、からい、酸っぱい、苦い、渋い等の味覚が働き、鼻で香りを嗅いでそのワインをおいしいと 感じるのか、自分の好みで判断すれば良いのです。ワインことを知らなくてもワインを楽しめるが、知ればもっと楽しい。ユメユメ「ワインはわからない」など とおっしゃらないように。たかがワイン、されどワインです。知識はなくても食事しながら飲むワインは会話を弾ませてくれて楽しいですね。
「どれが良いワインですか?」
 ワインは他のお酒と同様、好みのものですからどれが好きかは各人各様。味覚も十人十色ならワインの味も十人十色。フランスやイタリア、スペイン等EUの ワインは原料の葡萄、醸造方法、ラベル表示等地域によって規定があり前号で申し上げたような格付けがある国のワインは製法上良い悪いという評価はありませ ん。本人がおいしいと思うワインがその人にとって良いワインなのです。ワイン作りに規定のない国では良いワイン悪いワインという表現もあり得るかも知れま せん。日本のワインは残念ながら明確なワインの原料用葡萄、ラベル表示の規定、格付けはありません。
 ワインは食卓における良きバイプレイヤーです。主役ではありません。先ず食卓を囲む人がいて、料理があり、ワインがあって会話が盛り上り楽しい団欒の食 事になったら、そのワインが良いワインでそのワインを選んだあなたは主演賞でワインは良き黒子であり助演賞ものです。決して高価なものである必要はありま せん。その料理と雰囲気に合ってバランスよく溶け込んだワインであれば食卓は盛り上がります。
シンポジウムの語源はギリシャ語でシンポジア、テーブルを囲み談論風発、議論する様を表わす言葉と言われております。みなさんもワインを飲む食事の場面を 頭に描いて、さてどのワインが合うだろうかと想像しながら選んでください。楽しい食事になったらその時はそのワインがおいしいワインであり良いワインで す。
それではそんなワイン探しの旅に出かけましょう。       (2010/11/15)


ワインにまつわる話(5)    「ワインの選び方:ワインの格付け、ラベルの見方」
                                           (2010年11月03日)

 ワ インは人間と同じで多種多様、ワインとの出会いは正に一期一会です。そこでフランスワインの選び方をお教えしましょう。ワインは料理と一緒に飲むと相互作 用で上手くマッチすると料理もワインもおいしくなります。料理とワインのマリアージュ(結婚)と言われる所以です。先ずワインの格付けを頭に入れて,次い でフランスワインの地域的な特徴をイメージします。そしてそのワインを飲む場面にはどのようなワインが合うか考えるのです。これらの組み合わせには想像力 を働かせる必要があります。うまくワインがその場にはまりテーブルを囲む人たちが喜び座が弾むと‘してやったり’の気分です。

ワイ ン格付け  「ラベルの見方」(←クリック)をご覧下さい。 
次の3つの文言はしっかり頭に置いてください。店頭やレストランでワインのボトルをご覧になりラベルを見る時にそのワインの格を知るキーワードです。
1.Appellation d’Origine Controlee(A.O.C) フランスの生産量の 約41%
2.Vins de Pays                   約13%
3.Vins de Table                   約26%  (残り1%がVDQS)


1.Appellation d’Origine Controlee(A.O.C) アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ
 原産地呼称統制ワイン: 1935年に制定された原産地呼称統制法に基く高級ワイン。高級ワインという意味は、葡萄の種類、産地、醸造家、味わいが明確 に分かるワインと解して下さい。ラベルでは d’Origine のところに呼称単位の地名が入ります。例えばボルドー、ブルゴーニュ、といった地名を記したもの、メドック、コート・ド・ニュイなど限定地域を記したも の、マルゴー、ニュイ・サンジョルジュなど村名を記したもの、ロマネ・コンティ、モンラシェのようにドメーヌ名が入ります。表示される地域が小さいほど個 性・氏素性・味わいがよりはっきり判るいわゆる高級ワインということです。 但し、呼称単位が重層的に細分化さているのはボルドー、ブルゴ−ニュ、アルザ スのみでその他の地域は細分化されていなくて地域の名称が入ります。葡萄は自家栽培。
2.Vins de Pays  ヴァン・ド・ペイ: 産地の地方や県の名前がラベルされ、他地方とのブレンドは禁止されている。地方の葡萄品種の規定、年産年表示あるがAOCより安い。.
3.Vins de Table ヴァン・ド・ターブル:原産地無記名ワイン。産地の異なるワインのブレンドが許 される。年産年表示のないテーブルワイン。フランス産はVins de Table de Franceと表記される。 壜詰め元の名称、住所(叉は郵便番号)を明記する。価格的には一番安い。
 日本ではフランス各地のワインが入って来ています。AOCでも1000円台から2000円台で十分おいしいAOCワインが見つかりますので先ずAOCか ら選んでください。


ワインにまつわる話(4)  「なぜフランスワインなのか」 (2010年10月30日)

 フランスワインが 何故世界中のワインの中でリーダー的存在になったか。
それはフランスが風土の多様性を反映した土着のワインを地域毎に作り、それを全国レベルの統一基準で格付けし産地を反映したラベル表示で品質証明を明確に したことにある。
 添付フランスワインの産地を示した地図(←クリック)をご覧願いたい。

1) フ ランスは気候上変化に富んでいて葡萄栽培に適した地形、土壌が各地方に広がっている。フランスは北海、大西洋、地中海に囲まれ、スペインとの間のピレネー 山脈、スイス、イタリアとの間のアルプス山脈、なだらかな中央山塊、ロワール河、ローヌ河、ガロンヌ河、セーヌ河といった大河が地形に変化を与え、対角線 約1000kmの6角形の国土を大別して3つの気候、大陸性気候、大西洋気候、地中海気候に分けているがそれぞれの気候の地方に葡萄産地があり独自のワイ ンを作っている。
2) 北 はフランスの葡萄栽培の北限といわれるシャンパーニュ地方から太陽の恵み豊かな地中海沿岸のプロヴァンス地方、ラングドック・ルシヨン地方まで上記の大河 の沿岸を含め葡萄畑が広がり実に多種多様なワインが作られているが大別すると8つのワイン銘柄の産地に分類できる。(添付地図のコート・ダジュールとプロ ヴァンスは通常同一産地として扱われている)
3) こ のようにバラエティに富んだワインが生れる理由には、気候の他に農産物、海産物に恵まれた各地方独自の料理、食習慣がありその地方の土壌に合った品種の葡 萄で料理に合ったワインを生み出す努力してきた人々の葡萄栽培や醸造法に対する情熱と伝統的な職人的な知恵が寄与している。

 ワインは風土に抱 かれて生まれて来る飲み物であります。
気候● 葡萄の木は様々な気候に順応しますが夏の暑さが必要で太陽の恵みが赤ワインの色素タンニンを合成するのに必要です。葡暑いか温暖な方が良く成熟し ます。白ワインは北で赤ワインは南で作られるのが多いのはこのためです。年間平均気温は或る程度高くなければなりません。特に夏の気温がその年の葡萄の出 来を左右します。
土壌● 水はけの優れた土地で根のところで水がたまらない土壌が最適です。従ってフランスの場合、地中海沿岸より北の地方は葡萄畑は川沿いの南向きか南東 斜面の丘が最適ですから、ワインの産地は上記1)の河沿いないしは河口です。
葡萄の種類● 各地方はそれぞれ気候、土壌に合った葡萄を栽培しています。ワインの味、風味を決めるのは原料の葡萄の味、風味です。葡萄の種類をセパー ジュと言います。
 次回からフランスワインを紹介して参ります。ポイントはどの地方ではどの葡萄でワインを作っているのかを記憶されればその地方のワインの味、風味が想像 出来ます。つまりボトルのラベルを見ればどこのワインでどのような格付けで味なのかイメージ出来ます。


ワインにまつわる話(3)  「ワインの歴史」 (2010年10月21日)

 前回までにワイン と日本酒・ビールとの醸造酒の違いを述べた。
ワインは果実酒なので葡萄の生産地でのみ醸造されるのに対してビール・日本酒は原料の麦・米をどこにでも輸送して生産地を選び、工業的に生産出来る。ワイ ンは少量多品種で大量生産出来ない土着性の強い飲み物で農産物であるということを記憶に留めていただきたい。世界各地のワインが居ながらにして日本で楽し めるようになったのはボトル詰めと輸送手段の発達のお陰でそう遠い昔からではない。以下簡単にワインの歴史を振り返る。

ワインの歴史
ワイン発祥の地は定かではないがグルジアあたりと言われている。東はペルシャからインド、中国へ、西はエジプト、ギリシャへからフェニキアによりローマ ヘ。ギリシャ、ローマ時代は既にそれぞれの産地で人々はワインを飲んでいた。
1世紀ローマ時代にぶどう畑はマルセイユから地中海沿岸は更にローヌ渓谷へ。時代を追って更にブルゴ−ニュ、ボルドー、ロワール、シャンパーニュへと広が りキリスト教修道院ではワインが作られていた。教会の礼拝にワインが用いられるのはご承知の通り。
12世紀 ボルドーが英国領になってボルドーワインが英国に輸出奨励された。
16世紀 オランダの独立によりブランディー原料としての白ワインの生産をボルドー地方に奨励、これがコニャック、アルマニャックの誕生を促す
17世紀末 ガラス瓶とコルク栓が開発されワイン用に使用されるようになり保存、輸送が楽になる。シャンパーニュ では司祭のドン・ペリニョンが現在のシャンパンを開発
19世紀 鉄道の発達によりフランス全土にワインが輸送出来るようになり消費が拡大、時を同じくしてフィロキセラという葡萄の根に付く小さな油虫がアメリ カから侵入、フランスの葡萄は壊滅的な被害を受け生産は激減、害虫に強いアメリカ産の苗木を輸入しフランス産の苗木を接ぎ木して葡萄畑の建て直しが可能と なった。今でもフランスの苗木は全て同様の接ぎ木である。このフィロキセラ危機によりワイン不足が生じ偽ワイン製造が横行した
1889年 偽ワインを防ぐため法令によりワインとは“生の葡萄または生の葡萄の搾り汁の完全な、または部分的な 発酵から生れたもの“と定義された。
1935年 AOC (原産地呼称統制)INAO(国立原産地呼称研究所)の誕生により各産地の葡萄栽培農家、ワイン醸造家がワイン用葡萄の品種の選定、葡萄の摘み取り開始時 期の決定、ワインの格付けなどを自主的に規制を作り管理・監督していることである。現在でも各産地は生産者とネゴシアンと呼ばれる販売業者の協同組合が各 産地の特色を維持すべく活動している。

次回はフランスのワイン産地を紹介したい。  



ワインにまつわる話(2)  「ワインとは」 (2010年10月5日)

 ワインとの位置付け
 ワインは人間と同じでそれぞれのボトルが異なった味、個性、寿命をもった農産物の果実葡萄を100パーセント原料にした顔の見える醸造酒である、と言え ます。
 お酒を大きく分ければ 
醸造酒: 果実原料酒 … 葡萄酒、りんご酒(シードル)等
      穀物原料酒 … ビール、日本酒、紹興酒 等
蒸留酒: ブラウンリカー:(樽熟成)ウイスキー、ブランディー
      ホワイトリカー: ウオッカ、ジン、ラム、テキーラ
醸造酒と蒸留酒の味の違い、飲み方の違いについてはみなさんご承知の通り。

醸造酒: ワインが葡萄、ビールが麦、日本酒は米を原料とする。この違いは大きい。アルコール度数はワイン12% 前後、ビール4%前後、日本酒15%前後。

 ワインは原料が100パーセントが果物の葡萄であり摘み取った葡萄はすぐに発酵を始めるので原料を 移動させられない。葡萄の産地でワインは作られる。毎年の葡萄の出来具合で味が異なる。その味は土壌、土地の気候に左右される。水はけの良い痩せ地に生え る葡萄は地中深く根を伸ばす。時には地下10m以上にもなる。異なる地層の養分、ミネラルを吸収する。地域によって葡萄の種類は違うが各地域毎に栽培・使 用する葡萄は決まっている。同じ産地でも、作り手によって味は異なる。毎年の葡萄の出来によってワインの味も異なるので葡萄の生産年がビン詰めされたワイ ンのラベル(フランス語でエチケットという)に必ず記載される。ラベルはワインの身分証明書でありラベルを見ればワインの出自が分かる。ワインは千差万 別、人間と同じと言われる所以である。
 ビール、日本酒は穀物である麦、米を原料とする。ビール、日本酒は水を大量に必要とし水を加えて初めてアルコール飲料となる。
 ビールの原料は麦であるがどこの麦を使ったかは分からない。麦は穀物だから世界中どこにでも輸送出来るので世界 各国どこでもビールは生産される。ビールの銘柄によって多少の味は異なるが何処の麦を原料にしたかは分からない。
 日本酒は原料が米で、最近は山田錦と何々米を売りにする酒も出てきたがむしろ水がベースで麹を操る杜氏の力量が ポイントで原料の米は産地から離れても何ら問題ない。
 ワインが他の醸造酒と大きく異なるのは正に葡萄という生の果実が原料で葡萄自らが100パーセントワインに変身することであり、そこにワインの多様性と 面白さがある。
次からフランスワインを取り上げ全貌を明らかにして行きたい。
                              以下次号

ワインにまつわる話(1)  「はじめに」 (2010年9月28日)
 はじめに
ワイン産地では葡萄の摘み取りが終わり仕込みがたけなわ、収穫祭が各地で行なわれワイナリーが一番活気に溢れる季節である。ワインに興味をお持ちの方も多 いと思われるのでこれから数回にわたりワイン及びワインにまつわる話を書いてみたい。この連載が終ったらワインの全体像が浮かんでみなさんの食卓でのワイ ンが楽しく感じられるようになれば幸いである。

ワインとの関わり
私は会社では東京では鉄鋼部門で鉄鉱石の仕事、外地ではアフリカの店で所長、フランスでは本部関係・管理部門の仕事をしていた。食料とかワインは関係な かった。私のワインとの本格的な関わりは1992年に始まった。この年三井物産関西支社が大阪市から姉妹港交流センターふれあい港館ワインミュージアムの 建設プロジェクトを受注した。姉妹港の一つにフランスのルアーブル港がありワインをテーマにした交流館を作るという。ワインミュージアム、ワインマート、 ワインレストランの3つを作りワインを知り、味わい、買うことが出来る施設というのが基本的コンセプト。パリの店では私が担当となった。結果的にはこれが 縁で94年に大阪に帰任し95年のプロジェクト完成・引渡し。96年に大阪市にヘッドハンティングされ2002年まで同館の館長を務めることになった。
 92年から94年までパリにいてフランスの各産地のワイナリー、ワイン協同組合、ワイン博物館、を何度となく廻り多くのワイン関係者とのコネを作った。 パリでは提携すべきレストラン候補をブラスリーに絞り数軒とのネゴを重ねレストラン業界の内幕とその経営の実態を見た。
 私ほどフランスワインの現場を訪ね各産地の組合と知己を持ったソムリエやワイン輸入業者は恐らく日本にはいないであろう。この人脈が98年から6年わ たってフランスワイナリー巡りツアーを企画し各産地を廻った時に大いに役に立った。
 以上のような経験を通してのフランスワインを中心にしたワインにまつわる話を進めたい。但し横着なので1回分は1枚の範囲内で不定期であることご承知願 いたい。

ワインて何?
? ワインは葡萄を100パーセント原料とするアルコール飲料である
? 葡萄は果物であり農産物である
? ワインは醸造酒であり蒸留酒ではない
? 葡萄は地中海性気候といわれる温帯乾燥気候の水はけの良い痩せた土壌に生育する
? その歴史は約5000年前今のグルジアあたりに起源するといわれている 
                                                        以下次号


 

 

 
   
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